記者オーハタが訊く!【ヤスダスズヒト氏 vol.2】
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「デビプレ」専属記者のオーハタです!
今日は連載企画「記者オーハタが訊く!」の第2回!
先週に引き続き、キャラデザイン・ヤスダスズヒトさんのインタビューをお届けします。今回は、ヤスダさんがプレイヤーとして遊んでみた「デビサバ」の感想を、いろいろお聞きしちゃいました!
PROFILE
ヤスダスズヒト
5月4日生まれ、三重県出身。
漫画家、イラストレーターとして、代表作『夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~』をはじめ、『デュラララ!!』などのライトノベルの挿絵を中心に活躍。
DS『女神異聞録デビルサバイバー』でキャラデザインを担当し、最新作『デビルサバイバー2』でも引き続き携わる。
第2回 プレイヤーとして見た「デビサバ」
オーハタ
ヤスダさんは普段ゲームを遊ばれますか?
ヤスダ
家で漫画を描いているとき、気分転換によく遊んでますよ。新作ゲームもけっこうやってるほうだと思います。
オーハタ
なるほど。でも、つい熱中しすぎたりしませんか…?
ヤスダ
そこは、あんまりハマりすぎちゃってもよくないので、10分くらいで区切って遊べるゲームをよく遊んでます。そういう意味では「デビサバ」はちょうどいい感じなんです。1マップ長くても15分以内で遊べるように、ディレクターの高田さんがこだわって作られてますし。
オーハタ
ヤスダさんのゲームの遊び方にぴったりなんですね。
どこにでも携帯できるDSだからこそ、気軽にちょこちょこプレイできるのは嬉しいですよね。第1作目の「女神異聞録 デビルサバイバー」は、ユーザーとしても遊ばれましたか?
ヤスダ
はい、最後のボスを倒すところまでやりましたよ。
そのほかにも、激ムズの隠しボスがいまして…もう絶対無理だろ! と何度も思いましたが、中断セーブを駆使して、なんとかクリアしました。
オーハタ
なんと! じつは私、そのボスだけ倒せてなくて。もしかしたらヤスダさん、私より詳しい…?(笑)
ヤスダ
ルートも、ジンルート以外は全部やりましたね。
オーハタ
えーっ。私、ジンさんがいちばん好きなのに…。
※ジンさん。(「女神異聞録 デビルサバイバー」より)
ヤスダ
あ、そうでしたか、すみません(笑)。
オーハタ
今度ぜひ、ジンルートもやってみてください…!ところで、ご自分で描かれたキャラクターのゲームを遊ぶというのは、いかがですか?
ヤスダ
それがけっこう、やってるうちにハマって、マヒしてきちゃうんですよ。自分で描いたことを忘れちゃうくらい。
オーハタ
そうなんですか。どんなところにハマるんでしょう?
ヤスダ
まず、これは前回も言ってるんですけど、ディレクションがすばらしい、の一言に尽きますね。ゲームの流れのテンポやインターフェイスが秀逸で、小さなストレスになりそうなところも見逃さずに、丁寧に作られてるなぁ、と。
オーハタ
具体的には、どういったところですか?
ヤスダ
たとえばイベント会話を見ているとき、ボタンを連打していても、必ず選択肢で止まりますよね。
オーハタ
たしかに。おかげで選択肢はしっかり選べますね。
※「デビルサバイバー2」より、主人公とダイチの会話シーン
ヤスダ
あとは、会話スキップとか、「デビサバ」の場合は未読の会話も一瞬で飛ばせるんですね。あれはユーザー目線に一回立たないと、絶対にやれないことだと思うんです。
オーハタ
確かに。私も戦闘で全滅してしまった時ですとか、何度か同じステージをプレイするときには、会話を飛ばす事がありました。
ヤスダ
いやもちろん、自分は飛ばさず見てましたよ(笑)、ほとんどすべての方も読んでいると思いますし。でもゲームの戦闘部分のみを濃縮して楽しみたいという方も中には絶対おられますし、今日は時間が無いから通常会話はさらっと流して話を進めたい、という方もいると思うんです。なのでそういう機能を標準で実装しているのはすごいなと。
オーハタ
遊ぶ人の立場に立って作られている、という。
ヤスダ
飛ばしたい方は飛ばすだろうし、そうじゃない方は飛ばさずに読む。ユーザーさんもちゃんとしっかり考えて遊んでくださっているんだから、こういう機能があるということは選択や遊びの幅を広げることに繋がるし、よいと思います。他にも本当に細かく言い出したらきりがないくらい、ストレスを減らして快適に遊べることに注力されていて、心地いい「ゲームの手触り」があるんです。
オーハタ
わかる気がします。
私はあまりゲームがうまくないので、かなりの頻度でゲームオーバーになったんですけど、何度かやり直しても、あまりストレスは感じませんでしたね。
ヤスダ
理不尽な負け方ではなくて、負けた理由がちゃんとあって、何度かプレイすることで対処できるから、でしょう。
オーハタ
そうですね。最初は「無理!」って思っても何度か遊んでるうちに攻略のヒントが見えてきて…。
ヤスダ
攻略法を知れば、戦いの流れががらりと変わるんです。
オーハタ
たしかに。最初に戦った時にはぼこぼこにされても「こういう敵が大変だったな。じゃあ次はこのスキルをセットして、この仲魔を連れて行ったら勝てそうだ!」って。
ヤスダ
どうして負けたかを考えて、ユニットを配置するときにちゃんと作戦を立てる。それがうまくいったときの気持ちよさが、絶妙なんですね。
「デビルサバイバー」ならではの手触り感
オーハタ
前回のインタビューでヤスダさんは「デビルサバイバーは『女神転生』の流れを汲むのに、悪魔会話がなかった」という点に驚かれていましたね。
ヤスダ
はい。第1作は『女神異聞録』という副題がついていましたし、『女神転生』からのファンで、「悪魔とコミュニケーションを楽しみたい」っていう方が、かなりいたと思うんです。オークション!? 大丈夫か…みたいな。
※「デビルサバイバー2」より、デビルオークション
オーハタ
そこは当時、開発チーム内でも議論になったみたいですね。
ヤスダ
相当大きな判断だったと思いますよ。
でも、普通にシミュレーションRPGをやってて、戦って、悪魔と会話して、その場で仲間にして…みたいなシステムになってたら、絶対どこかにひずみができて、破綻してたと思うんです。
オーハタ
「女神転生」だったらこう、みたいな部分をあえて壊して、ゲームの手触りを優先した、という。
ヤスダ
全体のテンポアップのためにシステムを検証して、取捨選択を一からやり直したんでしょうね。企画の最初の時点で、そういった判断をしていたのはすごいことだと思います。
オーハタ
1作目のストーリーなどはいかがでしたか?
ヤスダ
私は漫画を書いてるので設定に目が留まるんですが、「ベル」という言葉に関する複線が、凝りまくってますよね。徹底した言葉遊びが、すごく印象的で。聖書の引用だって聞いても納得するくらい、とにかくきれいにつながってますよね。
オーハタ
本当にある神話、ではないんですよね。だけど、私はスッと話の中に入っていけました。
ヤスダ
たとえば日本の古くからの文化でも言葉遊びは盛んですし、「ベル」というキーワードが一本の筋を通していることで、「悪魔」という存在の考証が、生きてくるんです。
オーハタ
あの物語の空気感はむしろ、初期の「女神転生」に近い、などのご意見もあるそうですよね。かつ、それをヤスダさんのポップなキャラクターで描いた、というのは挑戦だったんだなって改めて思います。
ヤスダ
おそらく高田さんは当時「女神転生」の定義はこう、みたいな縛りを、あえて持ってなかったと思うんです。ふんわりと大きく、柔軟にとらえて作られていったことが、「デビサバ」が新旧ファン両方に受け入れられた理由なんじゃないかと思います。
オーハタ
その原点の第1作ですが、ニンテンドー3DSで『デビルサバイバー オーバークロック』として装い新たにリリースされることが決まってます!
ヤスダ
『OC』はあまりゲームの中身には携わってないので、純粋に一ファンとして、楽しみにしてるんです。声優さんとか、8日目とか…。ユーザーの皆さんと同じように、雑誌を見て(笑)。3DSももう買ってますんで、楽しみに待ってます!
(次回は、いよいよ『2』について、ヤスダさんを直撃! どうぞお楽しみに!)